Baslerの3Dカメラ製品にblazeが新登場
このほど、産業用カメラメーカーのBaslerは、次世代3Dカメラblazeをリリースしました。GigEインターフェースとVGA解像度に対応しているこのカメラには、最新のソニー社製距離画像センサーDepthSense™が搭載されており、測量、測位、計量、障害物検知を中心に、幅広い産業用途に活用できます。
パルス式Time-of-Flight(ToF)方式を利用して撮影を行う産業用3Dカメラblazeは、日光に強い近赤外線(940nm)対応のレーザーダイオード(VCSEL)を備えており、30fpsのフレームレートで範囲マップ、強度マップ、信頼性マップから構成される3D点群データと2Dモノクロ画像をリアルタイムに生成します。また、撮影処理はカメラ側で行うため、ホスト側のCPU負荷も少なくて済むなど、高い解像度(VGA)、精度、性能を手頃な価格で実現していることがその大きな特長です。
ToFカメラは、光が光源から対象物に到達し、カメラに戻ってくるまでに必要な時間を計測し、距離が遠いほど、かかる時間も長くなります。この原理を利用して照明とカメラを同期させれば、取得した画像データから距離を算出することができます。
カメラに内蔵されているソニー社製センサーDepthSense™ IMX556PLR-Cは、裏面照射型CMOSイメージセンサーにCAPD(Current Assisted Photonic Demodulator)と呼ばれる画素技術を融合したもので、より高い精度と感度で反射光を捉えられるようになっています。そのため、明るさやコントラストに関係なく、最大10m四方(ユーロパレット2枚分または小型車1台分)の広範囲を640×480の画素数と約1mm単位の精度で撮影することが可能です。
筐体については、IP67に対応しているだけでなく、レンズと赤外線照明を内蔵することにより、取り外しが必要な部品を一切含まない軽量かつコンパクトな設計を実現していることから、ロボットアームなどにも取り付けられます。しかも、ギガビットイーサネットと各種プラットフォームで使用可能なインテリジェントなプログラミングインターフェースを搭載しているため、複数のカメラを有するシステムへの導入や運用もスムーズに行うことができます。
主な用途としては、産業用オートメーション、物流、医療、さらにはスマートファクトリーの多くのシーンにおける活用が期待されています。小型で優れた耐久性を有するblazeなら、無人搬送車やロボットによる貨物の計測、パレット積み付け、計数などの用途でも高い精度を発揮することが可能です。
なお、Basler 3Dカメラblazeの最初のデザイン・インサンプルの公開は2019年9月、量産開始は年末を予定しています。